エマ・ヘルブストの独白

エマ・ヘルブストの独白


お母さんを孕ませた男は知らない。

だがアーリア人ではないのはないのは確かだ。

そして、私を孕み、この世に絶望した母を救ったのはお父さんだった。

お父さんは親衛隊に入っていたが、お母さんに一目ぼれし、結婚したらしい。

そして生まれてきた私に対しても、『母の血が混じっているし、悪いのは孕ませた男だ』という当時では珍しい考えで私を愛してくれた。

私のせいでお父さんに迷惑が掛かったら悪いと思って家族3人で写真を撮ったことは1度も無い

けど、私は絵を描くのが好きだったから両親の絵をよく描いていた。

だって描いている間は周囲からの目も気にしなくても良かったから。

それに二人とも私の絵をとても上手だって褒めてくれたから好きだった。

こんな日々が永遠に続けばいいなと思っていた。いや、思ってしまった。

けどある日家に帰ると両親だったものが家の中に散らばっていた。

そして両親だったものも上に一人の女性が立っていた。

お父さんと同じ親衛隊の軍服に碧眼、緑色の髪の女性だった。

「やっと帰って来たんだぁ。遅かったねぇ。」

その女性はにんまりと笑いながら近づいてきた。

「いやぁ。まさか同じ親衛隊のメンバーが非アーリア人を匿っているとは思わなかったなぁ」

「私の魔法は風を刃にして飛ばす『風刃』親衛隊向きでしょ?まぁ、魔法の影響か変身すると髪が緑色に変化するのは嫌なんだけどねぇ」

「言っておくけどぉすぐには殺さないよぉ。非アーリア人に生まれたことを懺悔させながら殺すからぁ」

そして、私は逃げ出した。

幸いよくいじめられていた私は逃走ルートはよく知っていた

そして気が付けば私は下水道に逃げていた。

それからは同じ下水道だったりで暮らしていたホームレスの人たちと長い間過ごしていた。けれども最初の頃は誰も私を見て貰えなかった。

そして私はけが人なら注目してくれるだろうと思って自分で片目をえぐった。

実際、片目を抉った後周囲の人に話しかけてみると私を心配してくれて皆私を見てくれた。

お金は私が絵を描いてそれを画商に売って稼いでいた。

しかしある時、いつものように絵を売って帰って来た時、緑色の髪の女性のが見えた彼女はあの時と同じ様に今度は同じホームレス仲間だったものの上に立っていた。

「まったくぅ。下水道のネズミのように生きていて流石非アーリア人ですねぇ。ま、これでこの街の掃除も終わったでしょう。おや?」

ッ気づかれた!逃げないと!

「おや、もしや8年前にこの私から逃げたアーリア人じゃありませんかぁ?」

「それなら、幸運ですねぇ!」

彼女が右腕を振るうと私の左耳が切り落とされた。

「あああああああああぁ!痛い、痛いぃ」

「こんな場所で怪我なんかしてぇ。感染症になったら大変でしょう?でも大丈夫。その前に私がゆっくりとばらばらに刻んであげますからぁ」

そして私はその声を聞いてからの記憶がない。

気が付けば私は魔法少女に変身していて、相手の魔法少女は苦悶の表情を浮かべながら死んでいた。

そして、彼女から優しそうな美女と落ち着いた雰囲気の男性と赤ん坊の映った写真の入ったペンダントが滑り落ちた。

私はその時魔法少女としてこれから目の前の魔法幼女のように家族のいる魔法少女も殺すのだと理解し、せめて、これから殺した相手について少しでも心に刻もうと思い、目の前の殺した魔法幼女も忘れないようにとそのペンダントをポケットに入れ、家を去った


それからは色々あった。

その中で一番大きいのは妖精のカフカ(名前は私が付けた)との出会いだ。

「エマ。そろそろ行くよ」

「うん。分かったよ。カフカ」

さてこれから向かうのは第5次魔法少女大戦の会場である日本へ私は行く。

カフカの願いごとをかなえるために

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